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高みを目指すバンドマン、実はさほど“音楽一本”で稼ぐ気がないことが判明【対談録】

 
先日、某バンドでドラムを務めるバンドマンと酒を交わしてきたのだが、その時の話が非常に興味深いものだった。
 
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ネット拡散や音楽ブロガーは眼中にない

まずは、音楽ブログなどに広告を掲載することについての是非を聞いてみた。私自身が音楽系の広告掲載を視野に入れ始めていたからだ。序盤の彼は気を使っていたらしく言葉を濁していたが、最終的にはハッキリと『眼中にない』と真意を語ってくれた

彼は“基盤固め”にかなり注力しているようだ。拡散を狙うこと以前に、自分たちが良い音楽を作り、良いステージを構築できるようにならなければ、宣伝をする気にはならないのだそうだ。

また、彼からすると、そもそも音楽ブロガーをあまり信用していない。やれ心得だの、やれ売れ方だの…と、正論を並べているだけで、音楽ブログの記事はバンドの現場を何も分かっていないという

更に続けて、広告掲載したところで集客に繋がらなければ意味が無いと述べ、確実に集客に繋がる保証がなければ広告掲載を依頼する気にはならないとも言っていた。つまり、我々音楽ブロガー自身が、相当な売り込みスキルを持たない限りは相手にしてくれないようだ。

私は話を変え、『仮にテレビCMでMVを流してくれることになったらどうするか?』とも聞いてみた。この質問に対して彼は「それは良い話だけど、相手の意図が分からない」と答えた。彼はYahoo!ニュースなども例に出し、“そのような大企業がどうして自分たちを宣伝したいのか?”という部分が引っかかるようだ。


また、SNSを使った拡散にもあまり肯定的な意見は聞けなかった。ツイッターによる拡散は既存ファン内で終結しまうことが多く、音楽マーケティングでささやかれている様な効果は早々期待できないと考えているようだ。

今はセオリーとなりつつあるYouTubeやSoundCloudを活用したアピールに関しても、あまり好意的な話は出なかった。
 
 

マネタイズの意識がない

バンド活動について熱く語る彼の事だから、音楽で飯を食う為に一生懸命なのだろうと思いきや、マネタイズ(収益化)に関しての執着は感じられなかった。

私としてはコレが一番気になっていた内容だった。駆け出しのバンドが、どのような場所を目指し、どのように収入を確保するのか。“バンドはオワコン”といわれた昨今において、窮地に立たされたバンドマンは“音楽で稼ぐ”という課題に対し、どう立ち向かっていくのか。

しかし、彼の回答は「できることならバンドだけで飯を食っていきたいが、これだけで食っていこうなんて思っていない」との事。是が非でもバンドだけで稼いでいきたい…といったような野心はそこにはなかった。

彼が現在進行しているバンドのメンバーには就職し始めたものも出てきたという。彼自身も飲食店のバイト店員から契約社員へ昇格し、一般サラリーマン並みに稼いでいる。将来的には、バンドマンのための居酒屋を運営しつつ、自分もバンド活動をやっていきたい…と語った

とても意外だった。音楽を愛し、音楽に魅了され、自身が音楽の発信者となるものは、音楽で生活費を稼ぐのが最大の理想であり、同時に課題であると思っていた。誰もが必死に音楽で稼ぐ方法を模索しているものだとばかり思っていた。しかし、実際はそこまで固執しているわけではなかったようだ。

それはバンド活動のやり方にも表れていた。これも意外だったのだが、彼はライト層や潜在顧客の開拓に関しては、かなり消極的だ。彼らが目下ターゲットにしているのは、自分たちのライヴに来てくれた客のみ。聴きに来てくれた客に、全力を注いでいるのだそうだ。
 
業界の外側にいる私から見れば、インディーズ音楽界隈の“コアなファン”だけをターゲットにしてしまっては、不毛なゼロサムゲームに参加することに成りかねない…と思ったのだが、情熱的に語る彼を前にしてそれは言えなかった。
 
 

意識の中心は自己実現

SNSや音楽ブログなどを含めたネット拡散にはさほど興味を持たず、マネタイズにも思ったほど積極的ではなかった彼が、一番熱く語った内容を一言でいうなら、“自己実現”だ。

彼としては、自分がやりたい事を貫くべきだと強く主張し、自分が周りに合わせるのではなく、周りを自分に従わせるために努力すべきだと述べた。それは決して高圧的なものではなく、ときには頭を下げ、時には涙をこらえながら耐え抜く事も必要だと語った。彼は中々の“たたき上げ”精神を持っており、それはスタートアップ企業やベンチャー企業の創立者とも似ている印象だった。

彼が具体的に意識していることは、ライヴにおける目の前のステージ、そして客のことだった。そしてなにより、如何にして良いドラム演奏をすることができるかを真剣に考えていた。彼が考えていることは、どれだけ自我を具現化できるかであり、それ以上でもそれ以下でもなかった。

これを踏まえると、マネタイズや広告・拡散などと言ったことは確かに重要ではなくなる。音楽人のことを“アーティスト”とはよく言ったもので、彼も恐らくその一種なのだろうと感じた。自分の信念を決して曲げず、受け入れてくれる人には全力で答え、それ以外には興味を示さない。良くも悪くも、それは芸術家そのものだ。
 
 

WIN-WINは有り得ないという意識

彼は私と別れる直前に「WIN-WINなんて成り立たない。必ずどちらかが得をして、どちらかが損をする」とも主張していた。そういった考えが根底にあるからなのか、音楽ブロガーの広告掲載も抵抗があるのだという。まるで一昔前のロックアーティストのような思考だ。

つまり、彼の中で“共存”は成り立たない。それを仮に真実ととらえたとき、リスナーとバンドの関係は、どちらが搾取されているのだろうか。
 

【音楽の売り出し方に関する参考文献】

 
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