10 June

実際に演奏してみて分かった、打ち込み音楽制作でバンドらしさを出す方法やコツ

 
フリーで活躍している作曲家こおろぎさん(@Kohrogi34)の「楽器らしい打ち込みがうまくなるコツ、それは実際に楽器を触ってみることだ 」という記事がとても共感できる。これはバンド系の楽器にも通じる部分があると思うんだ。
 
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強弱の微差が大差になる

カンの鋭い人ならすぐに気づくのが音の強弱による変化。“弱く弾く”あるいは“強く弾く”というだけで、同じ楽器なのに音色が大きく変わる

クランチに歪ませたエレキギターは分かりやすい例。激しく掻き鳴らせば最高にロックなドライヴサウンドになるが、指などで優しく弾くと歪み成分がグッと減って、独特の温かい音色がでる。

スネアドラムもストロークの強弱で音が全く違う。力強く叩けば「スタンッ!」という強い音が出るが、なでるように叩くと「ぽこっ」というボンボン太鼓にも似た優しい音に。

今のプラグイン音源のほとんどは、こういった楽器特有の強弱をベロシティなどで表現できるように設計されている。これを理解しておくと、音色による表現方法が大きく広がってくるぞ。

 

ゴーストノートという概念

先に述べたスネアドラムの「ぽこっ」という弱い音、実は非常に使う場面が多い。これはゴーストノートと呼ばれるテクニック。

文字通り「オバケのように見えないけど存在している音」で、ギリギリ聴こえるか否か…といった微弱なストロークを小刻みに挟む奏法。ジャズやファンクなどでは常套句で、ロックやポップス音楽でも多く使われる。細かい隙間を微弱なアタック音で埋めるため、かなり独特なノリと音圧が得られる重要な小技。

ゴーストノートはベースでも多用される。1本の弦にブラッシングし、「ッぺっ!」といった“アタック音のみ”を出して曲をノリノリにする。シャッフルやバウンスビートなどの3連符系の曲だと効果抜群。

 

ノイズが“特性”になる

実際に演奏してみると、不要だと思っていたノイズも、実は生っぽさに一役買っていることに気が付く。

ドライヴギターなんかはその典型で、コードチェンジなどのときに減を擦る雑音は“ロック感”を引き立てる。アコースティックギターの「キュッ」という摩擦音も中々味があってよい。

また、歪んだギターは倍音(ハーモニクス音)が出やすい。「ふぉ~ん…」といったポワポワしたノイズだ。実はこれも適度に交えることで生っぽさが増す。

所詮はノイズなので多用し過ぎると汚くなってしまうのだが、スパイス程度に混ぜると曲が引き立つこともある。頭の隅に覚えておくと便利。ここら辺を踏まえると、ピッチベンドやベロシティ、リバーブなどに対する意識が変わってくるだろう。

 

オープンボイシングという観点

音楽理論をかじった人なら分かると思うが、理論書で教える和音というのは基本的に“クローズド・ボイシング”と呼ばれ、3~4和音の場合は1オクターブ内での構成を前提としている。

しかし、ギターは構造上それが出来ない。ルート音と3度音が1オクターブ以上離れている事なんてザラ。時にはルートが一番下にきていないパターンのコードさえ存在する(ディミニッシュなど)。こういった、1オクターブ以上に渡って和音を構成することをオープン・ボイシングと言う。ギターは基本的にこのオープン・ボイシングで和音が成り立っている楽器だ。
※テンションコードなどはまた別。

このオープンボイシングの響きは実に軽快で爽やかなものだ。私はギターで和音を覚えてしまっているので、ピアノ打ち込みなどもギターと同じようにオープンボイシングで打ち込んでしまうのだが、従来の響きとは一味も二味も違って面白い。状況によってオープンとクローズドを使い分けることができると、同じコードなのに響きをガラッと変えることができて面白くなる。

ギタリストとしては当り前のことだが、構造をよくわかっていない人にとっては良い情報として体感できるだろう。

 

その楽器っぽいフレーズが分かる

楽器を演奏することで、その楽器の得意・不得意が分かってくる。

ピアノなんかは両手を使えば2~3オクターブを高速で往復することも可能だろう。しかし、ギターでそれをするには左手を瞬時に0.5メートルほど移動させなければならず、必然的にグリッサンド的なフレーズが混じってしまう。

逆にギターは単音の連打が非常に得意だ。HR/HM系の音楽ではBPM200以上の速度で一つの音をひたすら16分で弾きまくったり。逆にピアノはそういうのは苦手。

また、ギターはチョーキングなどで滑らかなピッチベンドができるとか、ピアノはギターよりも幅広い音域をカバーできるとか…探せば色々出てくる。

そういったことを理解することで、その楽器に“どんなフレーズを弾かせるか”が見えてきたりする。

 

理屈抜きで“生”が分かる

そして、実際に演奏することの一番のメリットは“理屈ではなく、直感で生音を理解できる”と言う部分にあるだろう。

楽器を聴くのと演奏するのとでは、感情への訴え方が全く違う。例え上手に演奏できなかったとしても、エレキギターを「じゃ~ん」と鳴らしてみるだけで言葉に言い表せない感動がある。直感的な情報を大量に得られるのだ。

“自らの手で音楽を奏でる”という感覚が理解できると、作る音楽にも人間味が出てくる。アーティストっぽく言うなら“魂が込められる”とでも言うべきか。

なので、楽器を触ったことのない方は、これを機に“気軽な気持ち”ではじめてみるのがオススメ。楽器の“勝手”さえ分かればいいので最安価のものでOK。こおろぎさんも“資料”として楽器を購入していると語っていて、安価なもので済ませているとのこと。嬉しい事に、昨今のギターやキーボードは低価格帯でもクオリティが上がってきている。

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