15 May

音楽市場を細分化し、各セグメントでの戦略をまとめてみた【作曲家による音楽を売り出す考察】

 
マーケティングというのは、個人レベルでの音楽活動を分析し、より良くしていく事がかのうではないか。ということで、作曲活動をしている管理人が独自に音楽を細分化(セグメンテーション)し、戦略を考えてみた。
 
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音楽市場のセグメンテーション

コトラーのマーケテイング理論が2.5時間でわかる本」を参考に、独自の観点で音楽市場を細分化(=セグメンテーション)してみた。
 
  1. 音楽が大好きでたまらないコアなファン
  2. お金は出したくないけど音楽は聴くライトファン
  3. 音楽を演奏して楽しみたいアマチュア演奏家
  4. CMやPV、ゲーム、映像を作りたい企業、個人事業主
  5. ゲームや動画作品を作りたい同人サークルやYouTuberなどの個人クリエイター
  6. 自分の楽曲が欲しいソロやユニットのアーティスト、地下アイドル
  7. 音楽活動で稼ぎたい音楽家志望者
 

各セグメントの特徴を出してみた

1.音楽大好き!コアなファン

そもそも音楽が大好きな層。メジャーだけにとどまらず、インディーズや素人のライブにも足を運んだりする。自分の気に入ったアーティストの曲やライヴ、グッズなどにはお金を注ぎ込んでも良いと考えている
 

2.節制志向なライトファン

積極的にお金を出す事はないが、無料だったり低額であれば聴く層。ボカロ曲リスナーなども含まれる。音楽を娯楽として楽しんではいるものの、よっぽどの事が無い限り、音楽にはお金を出したくないと考えている
 

3.演奏を楽しみたい素人演奏家

いわゆる習い事や音楽教室などに通う、趣味として演奏を楽しみたい層。社会人バンドや軽音サークルなども含まれる。なによりも“楽しみたい・有意義な時間を過ごしたい”という意識が強い
 

4.映像メディアのBGMが欲しい企業

テレビCMや企業PV、ゲーム、アニメ、ドラマ、映画…などを制作したい企業や個人事業主。アーティスト的な個性よりは、情景描写などを主としたインスト曲が好まれる。事業規模や予算によって支出額が大きく変わる。
 

5.個人のメディアクリエイター

同人サークルやYouTuber、ニコニコ動画製作者など。いずれはプロを目指したい人と、趣味として楽しみたい人など様々なタイプが混合する。一部の売れっ子を除けば、予算が少ないことが非常に多い
 

6.ソロやユニット、アイドル

歌って踊ることがメインで、自分たちで楽曲製作を行う必要性が無いアーティスト。ユニットやアイドルグループ、ソロアーティストなど。いかに自分たちが素敵に振る舞えるかで曲を選ぶ
 

7.音楽活動で稼ぎたい音楽家志望者

アーティストやバンドマン、作曲家、作詞家、アレンジャーなど、音楽を職業にしたい層。売れるための方法や売り込む機会、自分を高める機材などが注目される
 
 

1.コアなファン向けの戦略

音楽が売れないと言われている昨今で、この層だけは購入意欲が高い。気に入られれば、楽曲販売やライヴ、グッズなどの収益を見込める。

この戦略ではバンドやアーティストなどによるライヴ、楽曲販売、グッズ販売が主な手段。聴き手は数々のアーティストを見てきている玄人なので、生半可なクオリティでは振り向いてもらえないだろう。

いかに聴き手の心を動かせるかが最重要ポイント。言い換えれば、「このバンドを好きでいることを誇りに思う、同じ時代の空気を吸えるだけで幸せ」という感情を如何にして抱かせるかが重要だ。ときにはクオリティやセオリー度外視で攻める必要もある。

TwitterやYouTubeなどのSNSと相性が良い。アーティスト側は簡単にMVや試曲音源を掲載でき、リスナーは手軽に紹介や拡散が可能。コアファン以外へ広報効果が及ぶ可能性がある(詳しくは下記のライトファン戦略で解説)。

【参考にしたい書籍】

 

2.ライトファン向けの戦略

コアなファンとは違い、節制傾向にある。基本的にCDは買わないし、ライヴとか絶対に行かない。この層を無理やりコア層へと引き上げるのはあまり実用的な手法ではなく、彼らの興味を向けさせるのが主な戦略。

彼らをターゲットとする場合は、無料あるいは低予算で音楽と出合えるプラットフォームを活用する流れになるだろう。

具体的には、YouTubeやニコニコ動画、音楽の定額聴き放題、中古CDなど。とくにYouTubeは使用率が高いとみられ、一時期のニュースでは「今の若者はYouTubeで音楽を聴く」とまで言われていた。

ライトファン向けにアピールするにはFacebookやTwitterなどのSNSと、上記の動画サイトを利用して、とにかく聴いてもらう回数を増やす事が重要だと考える。そうすることによって、リアル生活やSNS上の知人たちと共有・共感して話題にしてもらう

聴いているうちにコアファンへ変わり、商品を購入してくれる場合もある。単純に拡散を手伝ってくれるかもしれない。動画自体の再生数が上がれば、話題になると共に広告収入などを見込める場合もある。

ネット上で人気を出すセオリーは“大量投入”や“毎日更新”だと言われている。決してクオリティが高いとは言えない音楽グループ“Goose house”がYouTubeで成功したのも、大量のカバー楽曲を継続して投入したからだと言われている。

ここへ参入できるタイプは、バンドやアーティストに加えて、作曲家、ボカロ曲クリエイター、演奏してみた、歌ってみた、既存曲のカバー動画…など、音楽中心の動画コンテンツを作れれば誰でも参入できる。

上記のコアファン戦略と合わせて使って行くと効果的だと予測できる。

【参考にしたい書籍】

 

3.アマチュア演奏家向けの戦略

音楽を聴くとともに、自身が演奏して楽しみたいタイプをターゲットにする戦略。ピアノやバイオリンをやりたい女子から、学生バンドマンや社会人バンドまで含む。

ライヴやコンサートに憧れを持っている場合が非常に多いので、楽器販売と共にコンサートや地域ライヴなどの手配も重要となってくるだろう。プロ志向とは違い、娯楽として楽しんでいるので、技術習得を軸にするのはあまり宜しくないと考える。音楽の素晴らしさ、楽しさを前面に押し出したアプローチが有効なのではないだろうか。

基本的には楽器屋や音楽教室、イベンター、ライブハウス運営者の得意分野。自分たちのサービスに、どれだけの付加価値を持たせられるかが重要。

【参考にしたい書籍】

 

4.企業向けの戦略

自分たちのサービスを昇華してくれるBGMを望んでいるので、それに合った楽曲製作が求められる。企業のCMやPVではポジティブな雰囲気の楽曲が好まれる傾向に。アニメやゲームでは手数の多さが必要となってくる。どちらも“メイン”を引き立てる役割なので、楽曲が目立ち過ぎると疎まれやすい

作曲家がもっとも強みを発揮できる市場だと言える。逆に“個性”を前面に押し出したバンドマンやアーティストなどは、少し工夫を加えないと中々難しい。以前、DOVA-SYNDROMEの管理人さんと話したことがあるが、『コテコテのロック曲はBGMとしては需要が低い』と漏らしていた。

誰でも参入していける方法としては、オンライン上で楽曲のストック販売をする方法と、コンペに参加する方法の2つが今の主流。

作曲家としてエントリーできるWEBツール一覧

【DOVA-SYNDROME】
無料のフリーBGM頒布サイト。作曲家には広告収入の他、直接依頼の窓口としても機能。
 
【ニコニ・コモンズ】
ニコニコ動画クリエイター向けの素材サイト。クリエイター奨励プログラムに作品登録することが可能。

【オーディオストック】
企業向けメインのBGM販売サイト。作曲家は楽曲販売の他、直接依頼の受諾、コンペの参加が可能。

【ココナラ】
個人がサービスを出展できるウェブサービス。音楽カテゴリーあり。

【クラウドワークス】
日本最大のクラウドソーシングサイト。コンペに参加できる。音楽カテゴリーあり。
 
【ランサーズ】
クラウドワークスと並ぶクラウドソーシングサイト。音楽カテゴリーあり。

【アーティストクラウド】
音楽専門のコンペサイト。案件多数で、大手企業が参入することもある。

【マイソングクリエイト】
音楽制作依頼サイト。クライアントはやや個人寄り。

【参考にしたい書籍】

 

5.個人クリエイター向けの戦略

同人サークルやYouTuber、ゲーム実況者などの個人メディアクリエイター。BGMから主題歌など需要は沢山あるものの、予算に限りがある場合が多い。中には「無料でしかお願いできません」と、端から購買する気が無いものも。

上記の企業向け戦略と似ているが、相手は個人なので微妙に工夫する必要がある。

まずは楽曲に関して。相手は個人なので、アーティスト的な個性があった方が好まれる場合も多い。実際にYouTuberやゲーム実況者は、ここぞというシーンに主張の強いカッコイイ曲を挿入していたりする。

同人ゲームなどでは、インディーズ・アーティストが過去に公開した曲を、そのまま挿入歌として採用したいというパターンもある。

重ねて言うが、カスタマーは基本的に予算が厳しい。音楽制作側としては、ココナラDOVA-SYNDROMEニコニ・コモンズを中心にアピールしていくこととなる。上手く立ち回らないと、無料コンテンツだけを消化されて実益に繋がらない場合も多いので注意。ある程度人気が出てきたら他の方法へ繋げていく手法を考える必要がある。

【参考にしたい書籍】

 

6.アイドル、ユニット、ソロ向けの戦略

オリジナル楽曲をもたないアーティストに対して楽曲提供をしていく。AKBやハロプロなどの大人気アイドルに楽曲提供するのは修羅の道だが、地下アイドルやアマチュア・ユニットなどはオリジナル楽曲の需要がある。

楽曲製作では、アーティストとそのファンが一体となれるリズム構築が非常に重要になってくる。とくにオタ芸や合いの手の入れやすさなどは絶対に組み込む必要あり。ファンシーな可愛らしさを前面に押し出しつつも、ファンク・ジャズ・ロック・EDMなどの力強さを隠し味程度にブレンドする技術も重要。

アーティストクラウドが最有力候補。様々なボーカル曲募集の案件があり、アマチュアでも技術さえあればコンペへ参加可能だ。予算の少ないカスタマーはココナラマイソングクリエイトなどを利用している印象が強い。

私の知り合いクリエイターの中には、地下アイドルの運営者へ片っ端から営業をして楽曲製作の仕事をもらってくるというパワープレイで成功した方もいる。

【参考にしたい書籍】

 

7.音楽家志望者向けの戦略

音楽を職業として稼ぎたいと考えている層に対してのアプローチ。この記事も、このセグメントに分類される

このセグメントでは、ブログやSNSを使った有益な情報発信や、音楽家たちが活躍できるプラットフォームの提供などといった戦略が考えられる。

情報発信では、音楽家志望者たちが必要とする情報を提供する。曲の作り方や演奏方法などを記したHowTo系、業界の動向を記載するニュース系、売れる方法を記載したコラム・オピニオン系、楽器や機材などの紹介レビュー系…など。立ち位置としてはブロガーに近いので、音楽知識に加えて記事執筆の能力が問われる。

イベント(ライヴ)を主催したり、ウェブサービスのプラットフォームを制作管理できるならそれもアリ。アマチュアの音楽業界は、カスタマーとクリエイターを繋げる手段を渇望している。しかし、参入には多額の予算が必要であり、失敗した時の損失が膨大になる可能性もあるの。

【参考にしたい書籍】

 

1つのセグメントに絞る必要なし!

合計7つのセグメントに分けて、それぞれの戦略や手法を考察した。それぞれに参入できるタイプを記載したが、あくまで目安と考えて欲しい。例えば、バンドマンが企業相手にBGMを作っても良いし、作曲家がライブハウスデビューしても良い。

「手を出せそうな分野には全て着手していたら、思わぬチャンスがきた」というのは、売れたミュージシャンたちが良く言うセリフだ。

また、個々に記載してあることは全てではない。自分なりにセグメンテーションをやり直して、新たな戦略を立てても良いだろう。
 
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