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人生の戦略を知らない人から、時代に殺されていく!『超訳 孫子の兵法 / 許成準』【読書ノート】
 
許成準さんの著書『超訳 孫子の兵法』を読んでの意見や感想、本書の要点、名言などを書いていきます。
 
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主な内容

孫武が原本を書き、曹操がまとめたとされているのが「孫子の兵法」。本来であれば戦争に勝つ為の戦術を記したものであるが、現代社会にも通ずる哲学が詰まっている。現にビル・ゲイツや孫正義などの経営理念は「孫子の兵法」に影響されているそうだ。
 
そんな兵法書を、現代の人たちでもわかる言葉で翻訳した本が、今から紹介する『超訳 孫子の兵法』である。
 
孫子の兵法では『戦の基本はトリックである』と説いている。戦って打ち負かすことよりも、相手を騙し、戦わずして勝利することが重要なのだ。本書には剣や盾の使い方は一切書いていない。最善の勝利は無傷の勝利であり、一番良い戦いは、必ず勝てる相手と戦うことである。

自軍の損害を最小限におさえた勝利が大切であり、それが不可能な場合は、絶対に勝てる状況で戦って勝利を収めるのが優秀な組織なのである。
 
映画やマンガなどに慣れ親しんだ現代人にとっての「英雄」とは、果敢に悪に立ち向かい、紆余曲折しながらも感動の勝利をしていく人のことだと思っている。「英雄」には壮大なストーリーがセットだと信じている。

しかし、そんなものは現実では役に立たない。戦争では失うものが大きい。例え勝ったとしても多大な損害がでる。ただ勝てばよいというのではない。未来永劫、生き抜くための戦略が必要なのだ。

現代社会でもこの兵法は大いに役立つ。自らの人生を成功に導くためには、綺麗事を並べるだけでは意味がない。仲間を統率し、リスクを避け、成功率の高い手段を選んでいく必要がある。「努力すればいつか成功する」なんて嘘だ。成功するためには、正しい戦略がなければならない。
 
 

心に残った名言

呉の王・闔閭は、孫武の兵法書を読んだ後、彼を試験する意味で、「貴殿の兵法で、女たちを訓練することもできますか?と訊いた。承諾した孫子は、180人の宮女を集めて、2つの部隊に分けて王の寵姫2人を部隊長に任命した。
 
彼は太鼓の合図で右と左に向かうように命令したが、太鼓を打ち鳴らし「右!」「左!」と命令しても、彼女たちはクスクス笑うだけであった。
 
孫武は「命令が明確に伝わらなかったのは、軍師の罪である」と言って、改めて命令を伝えた。それでも彼女らが言う事を聞かないと、次は「命令が明確であるのに実行されないのは、隊長の罪である」と言うや、闔閭が止めるのも聞かず、2人の寵姫の首を刎ねてしまった。
 
すると宮女たちは日頃から訓練を積んでいるかのように、きびきびと良く動くようになった。寵姫を失った王は憤慨したが、孫武の才を認めて軍師として登用したという。
 
人類史上でも指折りの悪人とされるアドルフ・ヒットラーも、側近たちにはとても優しい人であったと、多くの記録が証言している。彼は、秘書の誕生日には直接プレゼントを渡すほど丁寧で、側近と食事する時は、全員に料理が行き渡るまで自分の食事には手をつけないほど思慮深かった。
 
戦いとは、敵を騙すことである。
強くても弱いフリをし、策があってもないフリを、敵が近くにいる時は遠くにいるフリを、遠くにいる時は近くにいるフリをすべきだ。
 
敵が利益を求めている時は誘い出し、混乱していると見れば、敵陣を奪う。
敵の備えが充実しているならば防御し、強い時はこれを避ける。
 
敵が怒っていれば、さらに心を乱し、こちらの舐めているようなら、さらに油断させる。
敵が休もうとすれば疲れさせる。
敵が団結している時は、仲違いを起こさせる。
 
チャンスが来てから頑張るのでは遅い。チャンスが来る前から、最後の勝負の為に全ての準備ができていなければならないのだ。
 
戦争の勝敗は、勝者が自分の勝利を作り出すのではなく、敗者の過ちで勝利をプレゼントされることで決まるのが普通である。
 
敵が勝てない要因は、私の中にある。
私が勝てる要因は、敵の中にある。
 
自分の戦略が良いか悪いかを判断する、良い方法がある。「これがもし映画化されたら、面白いかな?」と考えてみることだ。映画化して面白いストーリーになりそうな作戦なら、諦めたほうがいい。

逆に、映画化しても退屈なストーリーになってしまい「これでは興行に失敗するだろう」と思ったら、戦略としては良いものだろうということだ。
 
良い勝利は、当然な勝利で、劇的な勝利ではない。それは本文の言う通り、「もう負けた敵」と戦って収めた勝利だからである。弱い敵を相手にして勝つのが格好良く見えるはずがないが、この格好良くない勝ちこそ、最も望ましい勝ち方であるのだ。
 
統率が下手な軍は、本文の表現を借りれば「勇ましい兵は勝手に進撃し、臆病な兵は勝手に退却する」。これはシステムではなく、個人の感情によって動く組織の描写である。
 
個人の感情に左右される軍は、皆がひとつのミッションの為に動きを一つにする軍に、絶対に勝てない。
 
戦いの基本はトリックで、敵に一度騙されるだけで形勢が一転することが、しばしばある。従って騙されないことは弱者の時にも強者の時にも、常に守るべき原則なのである。
 
ハリウッドで映画を作る時に書かされる契約書は複雑過ぎて、それだけで一冊の本にできるほどである。もちろんほとんどの内容は強者の権利を保障する為に書かれているのである。
 
これは保険約款の複雑な理由が、消費者の権利を守るのではなく、保険会社に有利になるように書かれている為だということと同じである。
 
複雑さは、いつも強者の既得権の補償の為に使われる合法的な手段、つまり「罠のように険しい地形」である。
 
下との関係で重要なのは、厳格さと愛である。ただ愛するばかりでは、部下はわがままになる。厳格さが欠けている愛は、戦場では無用なのだ。しかし罰だけでは部下の心を動かすことができない。

矛盾しているようだが、厳格なリーダーシップに必須なものは、愛であるのだ。
 
ナポレオンが没落した理由も、負けるまで侵略戦争を続けたからである。
 
ナポレオンは失脚後、セントヘレナ島に幽閉されて、島の総督ハドソン・ロウに散々にいじめられた。ハドソン・ロウは腐ったワインに痰をはいてナポレオンにくれ、ナポレオンが飲むことを断るとワインを彼の顔に掛けた。
 
ハドソン・ロウはいつもナポレオンを「ボナパルト将軍」と呼び嘲笑して、彼の頭を殴ったりした。ナポレオンが本を読んでいると、それを奪って頭を殴った後、破りながらクスクスと笑ったという。体格の良い衛士たちをナポレオンの家の前に立たせ、彼が家から出ようとすると激しく殴打した後、家の中に引き戻した。
 
屈辱の連続に耐えられなかったナポレオンが病気になった時、ハドソン・ロウはナポレオンの医者を英国に強制送還した。

人々のほとんどはナポレオンの立派な姿だけを知っていて、彼の最後がどのぐらい惨めだったかは知らない。歴史上最高の戦略家の最期は、酷いイジメられっ子の姿よりも悲惨だったのだ。

負けるとはこういうことである。戦いを好む人は、勝率がいくら高くても、結局誰かに敗北して終わることになる。
 
普通、私たちは幼い時から「熱心に勉強すればうまくいく」とか「何事にも一生懸命に取り組めば成功できる」と言われて育つ。しかし、この世の実際の成功事例を見れば、「熱心に勉強」したり「一生懸命に」なることだけで、成功した事例はそんなに多くはない。人生の成功は「正しい意思決定」から始まる。

では、正しい意思決定はどこから導きだされるのか?
それは正しい戦略から生まれる。
 
 

現代社会を生き抜く知恵は、孫子の兵法にあり

ぼくらは子供のころから、ある意味で洗脳を受けてきた。一生懸命さが大切だとか、努力が報われるだとか、誠実さが大事だとか。もちろん一理あるが、成功するためにはそれだけでは足りない。成功するための戦略を実践していく必要がある。

様々な本を読んでいると、偶然で成功者になった人は一人も見たことがない。テレビなどを見ていてもほとんどいない。ごく稀に、偶然で大金持ちになった人を見るが、そのまま姿を消すか、後取材でどん底になったことをカミングアウトしたりと、ろくな結果にならない。

成功している人は、なるべくしてなっているのだ。
そこには必ずロジックがある。

孫氏の兵法から学べる最も大切な事は「必ず勝てる戦をする」ということだ。成功できない人は、なぜか負け戦ばかりを好む。自己分析せず、自分の長所も分からないままに壮大なプロジェクト構想を描き、いたずらに仲間と資金を募る。

失敗する人には戦略がない。そうやって感情に流されて、威勢だけで物事を進めていって失敗し、最後には『人生なんてこんなもんだ』などと最もらしく捨て台詞を吐く。そういう人たちが失敗するのは当り前。どうやったら成功できるのかを考えなかったのだ。つまり、勝利するための戦略を練ることをサボっていただけだ。

孫子の兵法では、戦をする際は弱い相手を選び、必ず勝てる条件を整え、短期間で勝利を収めろと書いてある。まるでただの弱い者イジメだが、勝利が目的である戦いにおいて、綺麗事は役に立たない。

もちろん現代のぼくらがイジメをやっていい訳ではない。そうではなく、勝てる場所(市場)を探し、自分の長所や個性を見極めて、それをうまくアウトプットしていく知恵が必要なのだ。

本書の中には、歴史の事例と共に、たくさんの戦略的知識が詰め込まれている。もし許されるなら、全文を紹介したいくらい名言が多かった。兵法は、現代社会を生き抜く上でも役に立つ。

自らを守るため、そして成功していくために。
 
 
 
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